泥濘と薔薇

北東北、海辺のベランダで育つバラの記録です。

島国のバラ事情

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 先日、インスタのDavid Austine Roses公式が、『コメントしてくれたアカウントに抽選でバラ苗が当たる!』(ざっくり意訳)というのを行っていた。

もちろん本国のアカウントであるので、極東の島国北方に住む私は「羨ましすぎる」と心の中で歯ぎしりをしながら、はるか西洋の島国の人々のコメントをただ眺めていた(たまにアメリカやオーストラリア在住の方もいた。レギュレーションはわからない)。

 

 

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いろんな雑誌で各国のバラの育種家さんのコメントを見るに、当たり前だけど国によって人の好みも求められるバラの資質も違う。気候や、国民が古くから培ってきた感性、土地の広さ、建築様式によっても全然変わってくるだろう。『赤いレンガの壁に輝く黄色のピルグリムを這わせたいの、きっと素晴らしいから』という方や、『大きなパーゴラの片側が寂しいからクライミングローズが欲しいんだ、クレアオースチンがいいな』という意見もあった。コメントを読んでいるだけで、美しいイングリッシュガーデンが目に浮かぶようだった。

 

 

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よくNetflixでイギリスのガーデニング番組を見るのだけど、あまりにも価値観……センシビリティ……が違うのでびっくりする。「狭い庭を広く見せるガーデニング」と銘打って大型バス3台分くらいの広さの庭が出てくるのだ。全然狭くなくない??

 

 

 

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 今までの写真はDavid Austin氏作出、英国女王の長き在位を誇る寿ぎのバラ、ジュビリーセレブレーション。まんまるのつぼみの時から開ききってダリアのようになるまで、すべての過程で整って美しく咲く、大好きなバラ。

 

 

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愛らしく深みのあるピンクの大輪は、ドーム型で花びらの裏側がほのかにゴールドに輝きます。ひとつひとつの花が葉の上で 優雅に咲き誇り、大輪にはめずらしく、次から次へと花を咲かせます。丈夫で病気になりにくく、勢い旺盛なシュラブです。咲き始めの頃の香りは紛れもないレモン、そしてだんだん採れたてのレモンとラズベリーを感じさせるフルーティーな香りへと変化します。スコットランドグラスゴーで行われた香りのコンテストで優勝、一般の人気投票でも一位に選ばれました。

エリザベス女王の即位50周年であるゴールデンジュビリーの記念に生まれたこのバラは私たちの誇りです。

(-David Austin Roses 公式サイトより引用)

 

 

 

日本ではかなりの人気であろうこのバラ、先述したインスタでのコメントがほとんどなかった。4000件弱のコメントで半分も目を通していないのでほんとは多かったかもしれないけど、私が見た限りでは皆無。そんなわけあるか??

 

 

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混乱する頭で考えたのだけれど、公式の説明にもあるように、ジュビリーセレブレーションは英国の国民人気投票で1位に輝いたバラである。偉大な女王の、その長き治世を寿ぐバラである。

 

更に付け加えると、うちではオベリスクで支えているけれど、暴れもせずにコンパクトで、花付きよく、うどん粉病の株の隣にあってもうつらず、黒星には少しかかるらしいけれども今のところ発症したこともなく、シュートの発生もいい。花びらの付け根が輝くような蜂蜜色で、うっとりするグラデーションの花は内側から輝くように咲く。レモンティーの清々しい香りは一日中かいでいられる、そんなバラである。

 

ならもうみんな持ってるんじゃない?

 

うん、それなら納得がいく。いくらお庭が日本の基準(私の基準…)では信じられないくらい広くても、せっかく当たるのなら持っていない品種がいいもんね。わかるわかる。

 

 

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 一抹の困惑を残しつつこれで納得したい。コメントの中には「ガートルードジェキルがもう一個欲しいわ」というのも見たけど……

ガートルードジェキルはコメントの中でもやっぱりすごく人気だった。ローズ色の中ではダントツトップじゃないだろうか?プリンセスアレキサンドラケントも名前が多く上がっていた。

アプリコット〜ピーチ(白桃色)では、けっこう驚いたのだけど、ロアルドダールが人気だった。バスシーバエブリンも名前が上がる。エブリンは本国ではカタログ落ちでないのかしら……

淡いピンクだとリビアローズオースチンクイーンオブスウェーデンが人気。カタログ落ちだからかもしれないけれど、シャリファアスマやヘリテージはほとんど名前がなかった。こういうところも日本とはちょっと違う気がする。

もちろん人気投票ではないので、厳密にいえばイギリス人の好きなバラは〜という結果ではないけれども、あちらのER事情というのが多少なりともわかるので、興味がある方はインスタのDA公式アカウントを見てみるときっと楽しいと思います。

 


ジュビリーセレブレーションのことを褒め称えようと思っていたのだけど、すっかり違う記事になっちゃったな。

 

 

 

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