泥濘と薔薇

北東北、海辺のベランダで育つバラの記録です。

ベランダにだってアーチ(?)が欲しい、の話。その2

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2015年発表のER、デスデモーナ。その花姿と香りを何より愛しているけれど、コンパクトなのでアーチには向かない。

 この間に続いて、「アーチに咲かせたいバラ」についての話をします。これはいつか持家になって2億坪の土地が手に入ったときに役立つかもしれないので、ちょっとこの機に幅広く考えていきたい。

 

前回↓ 

rancraw.hatenablog.com

 

一番理想に近かった「オールドローズ」がほぼ一季咲きだったので、次はイングリッシュローズを考えてみよう、の巻です。

ちなみにDA社によると、アーチに向くバラは「繰り返し咲く品種や、咲いた後に実をつける品種がよいでしょう」ということだった。正直、実のことを考えたこともなかったので驚く。バラの実について知っていることといえば……ロサオリエンティスのオデュッセイアは花後に鑑賞価値のある実が成る、と説明があったことを覚えているくらいだ。でも実が成るほど長く、花を咲かせて枯れるまで、という道程をたぶん私は見ることができないと思う。だって株が疲れちゃうじゃん!とか言ってカットしちゃうから。単純に気が短いのだ。

 しかし、花期が日本より短いというイギリスでは、花が終わったあとに残るものもとても大事なんだろう。緑と雨の多い土地で実る赤や黄味がかったオレンジのローズヒップはきっと愛らしく、そして人間の心だけでなく身体の滋養にもなるのかもしれない。そういう、国土に培われた感性の違いというのはとても好きだ。

(話が逸れるがイギリス人のERの好みやお国柄が見られて割と好きなやつ。↓)

 

rancraw.hatenablog.com

 

 

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香りのいいバラで最もよく名前が挙がる品種の一つだろう、ジュードジオブスキュア。

 閑話休題

 まず、デビッドオースチンは公式で「アーチに向くバラ」というカテゴリを作ってくれているので、それを見てみることにした。

私のこだわりに合う花色のバラ(圧迫感のない淡い色)は、

◆ストロベリー・ヒル(淡桃)

◆クレア・オースチン(白)

◆ガートルード・ジェキル(濃桃)

◆クラウン・プリンセス・マルガリータ(杏)

◆ザ・ウェッジウッド・ローズ(淡桃)

◆ジュード・ジ・オブスキュア(杏)

◆ジェームズ・ギャルウェイ(淡桃)

◆バスシーバ(杏)

などだった。

なるほど………なるほ…………ジュード?ジュードジオブスキュア??アーチ……そんな大きくなるの!??

香りの良さの誉れ高いER、ジュードジオブスキュアは去年の冬に届いてから元気に成長して、今は130cmくらい。オベリスクに軽く巻いているが、そんなに大きく…なるの!?今のところ同時に購入したエブリンの方が伸びて170cmくらいだ。成長がゆっくりなのかもしれないね。

よし、冬にできるだけ短く剪定する覚悟をしました。ベランダはまだ大丈夫です。

 

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ごめんねジュード。愛してるよ。

 

 花の好みで言うと、ストロベリーヒルクラウンプリンセスマルガリータがいい。ストロベリーヒルは棘の少ない枝がしなやかで花色が可愛らしく、ミルラ香が芳しいと聞く。マルガリータ姫はもう、花色がばつぐんに好みだ。黄金や山吹や檸檬が混じりあって溶けあって、パレットをサッと出してきた天才画家が「そらお前の好きな色はこれだろう」とか言ってくるみたいな色だ。大好き。それにフルーツ香もあるとか……。最高じゃないか。

 

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レディエマハミルトンとシャトードゥシュベルニー。ビタミンカラー、好きなんだよね。


 ただやっぱりいいところばかりではない(これは勿論ベランダ栽培でもう場所がほとんどない私が無謀にもアーチもどきに挑むにあたって、の話)。

ストロベリーヒルは横張り樹形で、これには参った。私はロサオリのダフネとデルバールのシャトードゥシュベルニーの横張りにはちょっと恐れをなしているのだ。あの横幅があれば直立樹形のバラを2本は増やすことができると思う(できない)。アーチもどきにするからにはある程度場所は確保しているが、横張りなのはいただけなかった。

マルガリータ姫は、とにかく巨大化する、と色々なブログで拝見し、怖気づいた。そして横張り樹形で(また……)、ほぼ一季咲きに近いとのこと。悩んで悩んで、カートに入れて、悩んで、削除した。諦めたのではない。「いつか欲しいものリスト」にいれたのだ。

 

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カタログ落ちした今も絶大な人気を誇るエブリン。それもそのはず、この香りと花形花色は至高だ。

  イングリッシュローズがいいなあと思ったのは、カタログ落ちという恐ろしい現実があるからでもあった。そうなっても許可を取って販売して下さるお店も確かに存在するが、ほとんど廃盤と同じ意味だ。「いつか欲しいものリスト」にいれたバラが永遠に手に入らなくなる、それは正直に恐怖である。

 例えばコマツガーデンさん(直営店名ロザヴェールさん)ではカタログ落ちした品種を取り扱って下さっているが(うちの元気で美しすぎるエブリンはコマツさん出身!)、前期にはイングリッシュヘリテージが取り扱いがなくなり、今期はシスターエリザベスヒースクリフが在庫限りで販売終了となるみたい。残念極まりないことではあるが、仕方がないことでもある。ほとんどの品種には後継品という感じのものが発表されているようだし……(でも悲しい)。

 

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こちらもカタログ落ちのシャリファ・アスマ。バラを始めた時にはもうほとんど販売終了だったから、手に入ったのは僥倖だった。


 まだカタログ落ちしていないイングリッシュローズは「いつか欲しいものリスト」にたくさん入っている。ヤングリシダスベンジャミンブリテンテスオブザダーバーヴィルズが載っているそのリストに、ストロベリーヒルクラウンプリンセスマルガリータを力強く書き入れ、絶対に廃盤になるなよと呪いのような祈りをしつつ、さて、次の候補はもう決まっている。

 イングリッシュローズを交配に使ったバラを、アーチに咲かせてみたいじゃないか。

 

次で最後です。

 

 

 

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