日々のことごと
風が強くて、朝晩は震えるほど寒い日が続いている。3月の終わりの1週間、長く続いた反抗期みたいな冬が終わる、そのご褒美とばかりに暖かい日が続いて、街の人たちがみんな薄着になってしまった。人目をわりと気にするタイプなのでしぶしぶ春服をひっぱり出したのだが、4月に入ってからこっちずうっっっと寒い。どうしても耐えられずに巻いているラビットファーの小さなマフラーだけを頼りにチャリンコとバスで通勤しながら、ここの人たちは1人1台自家用車だったな……と思い出してばかばかしくなった。外が寒くてもドアツードアならね。そりゃあね。
今日はストーブを焚いてやった。
冷涼な気候に向くと言われるアトラゲネ系クレマチスのウェッセルトン。絶対に枯れたと信じていたのに、奇跡の大復活です。クレマチスって本当にすごい。美しくて強くて儚い、それは愚かしくも愛おしい日本人が理想とするものだと思う。
家人に頼み込んで大好きな古着屋さんへ連れて行ってもらう。
さっきは寒い寒いと文句をつけたが、やはり今年は全体的には暖かいようで、途中で越える山々の装いが春のものだった。芽吹いたばかりの若緑と山桜の薄灯、常緑樹の濃い緑の隣にむきだしの枝々の茶がぽんぽんと入れ替わり、グラデーションではなく点描のようによく混じって、全体で春山の情景を作る。山粧う(よそおう)は秋の季語で、春は山笑う。
古着屋さんでは花柄のスカートをたくさん買った。ビルの多い地元では、春を感じる一番のものは人々のパステルカラーな装いであったことを思い出した。
マックが食べたいとわがままを言う。ビーフのハンバーガーとポテトを食べて満足した。高校生の忘れ物、「おれが店に入るといきなり混みだすんだ」という家人の言。
ホームセンターでバラの苗をひやかし、ユーステイシア・ヴァイがないことに胸を撫で下ろす。あったら買ってしまいそうな苗のいまのところ筆頭品種。
代わりに蕾付きのホワイトクリスマスがあったので存分に香りをかいできた。甘いフルーツの匂い!家人もうんうんと笑っていた。
そういえば、シャリファ・アスマはフルーツ香らしいのに、うちのはあんまり香らない。無添加のせっけんみたいな清潔な青い香りならちょっとあるが、ちまたで見かけるフルーツの強香と言う文句には当てはまらない。2株あってどちらもそうなので、もしかしたら私の鼻はある種の香気成分をキャッチしないのかもしれなかった。本当ならすごく残念だ。もしかしたら株の充実度の問題かもしれないから、シャリファにはこの春に期待!
南の開花報告を楽しみに、日々生きている。
がんばれ、バラちゃんたち。