泥濘と薔薇

北東北、海辺のベランダで育つバラの記録です。

バラのことばかり考える、まだ朝の来ないベランダ

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この美しい色を持つバラの名前はジュビリーセレブレーション。寿ぎのバラだと言われればまさしくその通りだ。5月にしては気温の低かった、薄く霧のかかった朝の日差しは細く確かに黄金で、この花びらが持つ豊かな彩りの中にある色だった。内側から輝くように咲く。

 

 

 

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ジュビリーは春の芽吹きがものすごく、ベーサルシュートが5本くらい出ている。この間株元を覗いたら1本が黄色くなっていたので、それは折り取っておいた。たぶん等分に栄養がいかずに出遅れたぶん、日照の確保が出来なかったんだろう。

同じような株がないかと別なバラの株元を覗こうとしたら葉っぱを食べている虫がいて、思わず水飴スプレーをしてつまんで7階から捨ててしまった。愛する香りの女王・アカデミアのシュートにずいぶん長いこと気がつかなかったのはその虫のせいです。

 

 

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今はジュビリーもまだ可憐なつぼみを待機させているばかりで、まずは萼割れを楽しみにしているところ。いったい東北だといつぐらいになるのだろう?去年、バラを始めた記念日である21日には間に合うかしら?

 

 

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花に対して私が出来ることは本当に少なく、ほとんど祈っているばかり。

明日晴れますように。雨が長引きませんように。風が強く当たりませんように。できれば私が休みの日の晴れてほどよく暖かくしかも早起きできた朝に香り高く咲きますように。

 

 

 

夜明けを前に鳴きだす鳥たちの声を絶望的に聞いていた、夜の中でしか上手くものを考えられない時期があった。しかし当たり前だけど夜中の考えごとというのはロクなものではなく、未知の恐ろしさに眠ることができず、3日間寝ずに仕事に行き、休日に倒れるように休めば3時間で起きてしまい、その世界のあまりの明るさに絶望して号泣していたあの頃から、回復できたのは家人と家人の生まれたこの地と猫と、それからバラのおかげだと思う。そのことに感謝するとき、寿ぎの、と名付けられたこのバラのことを思う。

 

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何年かぶりのシフト勤だ。明日は日曜日だけど仕事に行きます。

土日祝が勝負だった古巣の元同僚たちは今どうしているだろう?ちゃんと稼げているかな。健やかで日々の暮らしの小さなことにでも幸せを感じられるような生活をしていてほしいと、本当に心から思う。この騒ぎが早く、早くおさまりますように。

 

 

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感謝しかない家人にもこの地にも猫にもバラにも、いつか私に良くしてくれた誰かにも、いつだって私にできることは祈ることぐらいだ。

 

早くバラが咲いてくれたらいいのに。