泥濘と薔薇

北東北、海辺のベランダで育つバラの記録です。

のうのうと休んでおりました。

しばらくバラから離れて過ごした。冬の間のお世話も剪定くらいしかしていない。 (河本バラ園のコンフィチュール。去年の一目惚れ品種) 夏の終わりに、大好きな香りのバラ・ERのジュードジオブスキュアと、買ったばかりの可愛らしいローズドゥメルスリー・コ…

選択肢と決心と

夏空が眩しい。職場では今年初めての冷房が入った。背中側の窓から吹き抜ける風の湿った匂いがなくなると、肌に目に感じる景色まで一気に夏模様になる。閉め切られたドアを開けて感じた冷気に、故郷の地下鉄直結地下街の、あの長袖でないとやってられない寒…

夏至祭

6/21は夏至でしたね。 中学生のとき、「夏至祭」という小説を読んで以来、夏至になるとワクワクというか、ソワソワというか、何か不思議なことが起こりそうな予感で胸がいっぱいになる。夕暮れと夜は緋色と群青とでせめぎ合い、山際で混じりあった末に訪れる…

こぼれ咲き

あー、夢のようですね。なんでこんなにかわいいのでしょう……1985年、作出したマリー・ルイーズ・メイアンさんはたぶん初開花のとき快哉を叫んだんじゃないだろうか。 ピエール・ドゥ・ロンサール。 一昨年?あたりから家人の同僚さんのピエールさんをお世話…

バラの盛りは過ぎて

県内でも30℃を超えるところが出てきて、いよいよ初夏も終わりといった感じがしてきた。当地はやませが吹くので風が冷たく心地いい(たまにめちゃくちゃ寒い)。私はやませがもくもく海から這い上って来る光景がすごく好きだ。冷害はよくないけど……。 バラもも…

追いつかないバラの記録

大好きなデルバールのHT、ヴィウーローズ。この写真はわりと色が見たままに出ている気がする。 大好きなN.シャマラン監督の「ヴィジット」をもう何回目か分からないくらい見返していて、最高の週末だった。監督の作品は小さい頃からサインが1番好きだったが…

荒天一過

心配だらけの一夜が明けました。ここはわりかし高い建物なので風の音が本当にすごくて、気が気じゃなかったよ。やれやれ。 今日は初夏の晴天、26℃/15℃の過ごしやすい日。 青空が似合うよ!レディエマハミルトン株姿がこんもりしていてとても綺麗なの。 朝に2…

一天荒天

午前4時、風の音で目が覚めた。夜明けすぐに警報が発令されるほどの荒天である。 昨日開花宣言したジュビリーセレブレーション。たくさんのつぼみが風に煽られて、ソニアリキエルと同じくらい心配。 2度寝3度寝して、ベランダのバラが心配すぎて様子を見に行…

オクリモノ

今日は六月朔日(苗字だと、うりはり、くさか、などと読むんだって)。持病がばくはつしている。ちょっと調子が良い日が続いたから、このままいけると思ったのにな そんな日でも我が家のバラたちは良く良く咲いてくれて、昨日今日とお隣さんや近所のサロンにカ…

ベランダの様子・晴れた5月最後の週末

青空と海を背景にオレンジ色が映える。我が家ではこれはレディエマハミルトンの特権だったのだが、今年からはパウルクレーも仲間入り。去年の新苗だったパウルクレーは、手頃な大きさに育ち、元気な蕾をたくさん上げてくれている。花の大きさが思ったより小…

芒種前

駅の待合室で、瞬きの合間に消えてしまう蜘蛛の糸を見た。晴れて光る細い輝きが角度によって曖昧になるのも、雨の日の中空に浮かぶ雫の群れるのも、どちらも好きな光景だ。 23℃/14℃の晴れの日。 デスデモーナは今年も素晴らしい風景を作ってくれそう。 オデ…

2021開花始まりました デスデモーナとキルケ✨

5/25、晴れ一時雨の予報、25℃/14℃。我が家でもバラの開花が始まりました。 トップバッターは去年も5/25に開花してくれた、早咲きERのデスデモーナ。 会いたかったー!!! ERらしい、透ける花弁をもつデスデモーナは、朝日の本当に似合うバラです。 一昨日の…

雨の週末、バラを諦めたこと

20℃/13℃の肌寒い雨の週末。 家人や家人の妹さんは「暑い」と言っていて、真夏には体感40℃くらいになる名古屋育ちの私にはたぶん一生理解できない感覚だなと思った。幼い頃から身体がそういう気候で生きていくよう順応してきたのを、今更メンテし直せるとも思…

ランボーが謳ったバラ色?

数時間ごとに天気の変わる、目まぐるしい連休です。5月、私がバラを育て始めて、2回目に迎える春です。強風と暴雨の合間の太陽に心が浮き立ちます。きらきら、ふるふる、まわりに。 今年は5連休ということで、初日に掃除をして、衣更もしたいな…と思いつつ体…

不調のエヴリン

昨日の晩はぞっとするような荒天だった。一つ残したつぼみが大きくなり始めた今年の大苗・コンフィチュールがずっと心配だったけど、朝ベランダを見たら無事のようだった。ほっ。 他のはまだ見られていないから心配。 4月最後の出勤。通勤路の楽しみの八重桜…

日々のことごと

風が強くて、朝晩は震えるほど寒い日が続いている。3月の終わりの1週間、長く続いた反抗期みたいな冬が終わる、そのご褒美とばかりに暖かい日が続いて、街の人たちがみんな薄着になってしまった。人目をわりと気にするタイプなのでしぶしぶ春服をひっぱり出…

やがて春になる

半年以上間が空いた。 年は改まり寒さはやわらぎ今日見た週間天気予報は最高気温二桁をつづる。こちらに越してきて初めてと言っていい、大寒波に襲われた長い冬に気持ちも塞いでいたのだけど、そろそろバラもクレマチスも新芽が出てきて、日に照らされるそれ…

ベランダにだってアーチ(?)が欲しい、の話。おしまい

昨日は金曜日だから、と帰りに本屋さんに寄ってみたら村上春樹の「村上T」が売っていて、ノータイムで買ってしまった。ふんふんとして帰って家人に話したら「絶対にコアなファンしか買わないやつ!」と大笑いされた。まあ、いいですよ。私は大好きなんだから…

ベランダにだってアーチ(?)が欲しい、の話。その2

2015年発表のER、デスデモーナ。その花姿と香りを何より愛しているけれど、コンパクトなのでアーチには向かない。 この間に続いて、「アーチに咲かせたいバラ」についての話をします。これはいつか持家になって2億坪の土地が手に入ったときに役立つかもしれ…

ベランダにだってアーチ(?)が欲しい、の話。

それはまるで春の夢のような 春のバラ園、満開を迎えた色とりどりのバラが何種類も絡んだアーチのトンネルをくぐる。風が吹くと、世界中のただ綺麗な色だけを集めた花びらが降ってくる。いばらの間から日差しが差し込み、花びらは身の回りを小さな嵐になって…

黄金の海と水平線、香りの女王の話。

3年と半前に越してきたこの地の、バスに乗って職場を行き帰りする道は好きな風景であふれている。春は目を皿のようにしてバラを探していたけれど(そして良いスポットをいくつか見つけたので毎日ガン見している)、今のトレンドといえば、そりゃもう田んぼです…

オレンジとイエロー、スカイブルーにペーパームーン

用事があって午後にお休みをもらった。バス停に着くまでの道のり、眩しさをこらえて視線を上げると、あまりにも空が青くて驚いてしまう。 夏はこんなにも暑くてしんどい、と思うのに、空も海もそのあいだを吹き抜ける風が肌に涼しいのも、日に灼ける街も笑う…

夏の朝に咲く

最近、暑さに参ってしまったので朝の水やりを1時間早めて、6時前にするようになった。昼間はのぼせるくらいの空気もすっきりとしていて、どこかのお堂で鐘を撞いているのが聞こえる。しばらく聞き入ってしまうくらいに何やら風情があって、良い。 ベランダの…

世界でいちばんお姫さま、のバラ

お世話になっている、家人の同僚さんのおうちのピエールドゥロンサール。お手伝いをしたらお礼にと頂いてしまった 真夏のこの暑い中でもたくさん咲いていました(びっくり)!花弁の焼けたのもなく、花びらが少ないわけでもなく、相変わらずお姫さまのバラちゃ…

空想のグラスから香る・しっとりとみずの匂い

肌にぴったりと暑い空気が、ゼリーみたいな被膜になって張りついている。湯気のような淡い霞に覆われた山の稜線も、三日月に湾を囲む港の向こう、見えるはずの水平線の在りかもゆらゆらと曖昧だ。普段から着物を着ている洒落たお客さまの水色の帯が唯一、涼…

暑い暑い暑い・しっとりと砂糖菓子の香り

暑い!!! お盆寸前でようやっと本格的な夏の暑さになってきた。34℃/24℃。おととし?なんかは梅雨明け宣言も出ずに寒いまま秋に突入していたことを考えると、まあまあふつうなのかな…と思うのだが、各地は異常な暑さだ。本当に、何事もなくと祈るばかり……。…

水に滲む色と花と影

あまりにも美しいクロードモネ。芸術的な絞り模様。絞りの色合いによっては苦手なものもあるのだけど、クロードモネはその鮮やかなピンクと、淡い卵色の配色が最高だと思う。 好きすぎていろんなところで使っている。Twitterとブログのアイコンとかヘッダー…

島国のバラ事情

先日、インスタのDavid Austine Roses公式が、『コメントしてくれたアカウントに抽選でバラ苗が当たる!』(ざっくり意訳)というのを行っていた。 もちろん本国のアカウントであるので、極東の島国北方に住む私は「羨ましすぎる」と心の中で歯ぎしりをしなが…

青空がとてもよく似合うので

塀の向こうに飛び出しているレディエマハミルトンの2本のベーサルシュートを、ちょっとこれはもうどうしようもないなと思って毎日眺めている。遠目だけどたぶんつぼみがついている。ホウキ状になっていないから、レディエマは別にピンチしなくてもいい品種な…

紅榴石ととりどりの赤

写真を見返していたらあんまり綺麗でびっくりした。柘榴石をざらざらと零したみたいでしょう?ロサオリエンティス・オデュッセイアです。 房咲きで枝垂れる様子はデスデモーナにも似ていて、このふたつは隣りあって咲かせているので、6月の競演は見事だった…