キッチンの海・光のようなシャトードゥシュベルニー
当地は連日霧に沈んでいる。
今日は28℃まで上がったけれど、ここ数日は最高気温も20℃前後をうろうろしていた。夜、窓を開けたまま寝て、猫に起こされた真夜中、部屋中に潮の香りが漂っていた。肌寒くて寝起きの身体がうまく動かなくて、まるで海の中だ。時間を確かめるためにつけたスマホの画面の明かりも、シンクに水滴が落ちる小さな音も、冷蔵庫の稼働音も、なにやらとくべつなものに感じられる。キッチンが海の気配に沈んで、真っ暗な中で微かな明かりが灯るように黄色のバラが咲く。
黄バラは絶対にオレンジやピンクが気まぐれに混じる花色の品種が欲しかったのだけど、シャトードゥシュベルニーはその期待によく応えてくれた。しかも純然たるゴールデンイエローで咲くこともあれば、褪色して陽射しにきらめくようなレモンイエローにもなる。
つぼみの時点でワクワクする色味だ。レモンシロップにちょっぴりイチゴシロップを混ぜたかき氷、夏の匂い、足の裏に熱い砂浜の上、目と肌を焼く鮮烈な太陽そのもののバラ。
5/2につぼみを見つけて約1ヶ月あと、6/7に開花を始めた。
小中輪が房咲きになって、明るいグリーンの葉っぱに映える。日に向かって次々に咲いて、次々に散る。潔さはERにもひけをとらない。
でも、わあっと一斉に咲く姿を1度見たらもうたまらないと思う。本当にきれいで、感動する映画のラストシーンみたいなのだ。
横張り樹形だけどたぶんオベリスクに巻けばそんなに幅をとらないのじゃないかな。ただ私はめちゃくちゃトゲがいや(細くて長いタイプのトゲ)なので、誘引せず自由にさせてしまっている。大きくてたくさんあるトゲより、刺さったら先のほうが皮の間に残るタイプがいやです……。
まあ、この花姿をみたらなにもかも許しちゃうんだけどね。
きれいなヨーロッパのおねえさんがつけているフルーツ系の香水の香りがします。
同系色だから当然かもしれないけど、レディエマハミルトンと合わせて活けたらとっても綺麗だったので、今度これにラパリジェンヌを混ぜてブーケみたいにしたいな、と思っている。花期は合うのでできるはず!
帰宅して、咲いていたジュビリーセレブレーションをカットしたので、いよいよ我が家の1番花もおしまいに近いです。あとジュビリーのつぼみが4つ、シャリファのつぼみが4つ。
七月朔日竹流し。故郷を偲びつつ、今月も参りましょう。
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