泥濘と薔薇

北東北、海辺のベランダで育つバラの記録です。

一天荒天

午前4時、風の音で目が覚めた。夜明けすぐに警報が発令されるほどの荒天である。

 

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昨日開花宣言したジュビリーセレブレーション。たくさんのつぼみが風に煽られて、ソニアリキエルと同じくらい心配。

2度寝3度寝して、ベランダのバラが心配すぎて様子を見に行ったら、ラティスを置いてある場所が建物の外壁ごと崩れて鉄骨などがむき出しになっており、置いてあったラパリジェンヌの鉢が真っ二つになっている夢を見た。さすがに夢の中で夢と気づき(生まれて初めての経験かもしれない)、起きろ起きろと念じて目が覚めた。朝からめちゃくちゃ疲れるやん……。

 

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朝支度をしている間に何度かベランダを覗いたが、前夜2時間かけて麻紐でくくりつけておいたおかげか、目に見える被害はなかったからとりあえず一安心。ただ、昨日は咲いていなかったレディエマハミルトンが咲きながらぺったりと地についていたので救出した。可哀想に🥲

エマには本当は青空がよく似合うんだ。

 

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前日にカットしたソニアリキエルとキルケを風呂場に持ち込んだら先客がいましたね。

1番風に煽られるだろうソニアリキエルはかなりカットした。まだ咲いていない天井近くの枝はそのままで、今年の目標であるソニアが降るように咲く景色は、もしかしたらお預けかもしれない…。

 

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一輪だけ咲いたジュード、ヴィウーローズもカットしたし、たくさん咲いてくれていたパウルクレー(中央のオレンジのカップ咲きのバラ)も蕾だけ残してあとは活けた。キルケ(左の白の中輪)は房ごとばっさり。

まだ満開とはいえないベランダ栽培ですら大雨暴風でこれだけカットするんだから、お庭の人はさぞかし大変だろうな……。

 

 

夕方になっても雨は降り続いている。夜まで警報も続くような雰囲気だ。何事もないことを、心から願う。

 

 

オクリモノ

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今日は六月朔日(苗字だと、うりはり、くさか、などと読むんだって)。持病がばくはつしている。ちょっと調子が良い日が続いたから、このままいけると思ったのにな🥲

そんな日でも我が家のバラたちは良く良く咲いてくれて、昨日今日とお隣さんや近所のサロンにカットしたのをもらって頂いた。何かの慰めになるといいな、とほんの少し思う。もちろん、そうでなくても全然かまわない。

写真はソニアリキエルクレマチスの静香。気に入っている色の組み合わせ🌹

 

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今年はデスデモーナとオデュッセイアのコラボが難しいかもしれないな。位置がね……この冬の剪定で、デスデモーナはかなり思い切ってカットするつもりだから、今年なんとかいい感じに咲いてほしいと思うばかり。

 

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オデュッセイアはうどん粉が激しく出ちゃって可哀想なんだけれど、甘いフルーツのいい匂いがして(バルニのアカデミアのそれに似ている)、小さめで趣のある花が房で咲く様子がとてもきれいなバラ。

 

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シャリファアスマも綺麗な形と色で咲いてくれた。1989年に作出されてから32年経っても人気なのも頷ける。あたりに漂うくらいのフルーツの香りがもしなくても、この花姿はぱあっと光の差すようで、一際目を引くから。

 

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オールドローズみたいにくしゃっと咲いたりもする。可愛いなあ。

 

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デスデモーナは最初の開花が終わりかけ。

 

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春のキルケは白っぽく咲くのね🌹まだ蕾があるので楽しみ(*´꒳`*)

 

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明日明後日あたりに咲きそうなのはブルーパフュームとヴィウーローズ。ブルーパフュームはこの時点ですごーくいい香り!ヴィウーは顔を近づけられない位置で悔しい……。

 

クリスティアーナ、

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アカデミア、
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ジュードジオブスキュアも萼が下りたのできっともうすぐ!

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ジュードさん…蕾なのに去年より香っていてびっくりした……。

 


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まだまだ満開には遠いベランダです。今からドキドキしちゃう。

ずっとバラの季節ならいいのに。

 

 

 

 

 

ベランダの様子・晴れた5月最後の週末

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青空と海を背景にオレンジ色が映える。我が家ではこれはレディエマハミルトンの特権だったのだが、今年からはパウルクレーも仲間入り。去年の新苗だったパウルクレーは、手頃な大きさに育ち、元気な蕾をたくさん上げてくれている。花の大きさが思ったより小さいな、と去年は思ったものだが、一番花は花径約8cm。やったぜ大好きな大きさです!

 

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カップ咲きからロゼット咲きへ。

 

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あまり伸びないのでベランダにちょうどいい。

アカデミアとフラゴナールはね、一番花が咲いていないこの時点でまず160cmあるからね。

 

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初開花の花をほどいたらすごく良い香りだったので、カップに入れてくんくんしていた。外で咲いていた時はフレッシュなグレープフルーツの香りだったのが、時間が経ってぶどうみたいな匂いになった。最高……強香レベル3って感じ(販売店さんで強香表記になっているバラの、超個人的な細分化。レベル5まである。後述するシャリファアスマがレベル5、キルケが1)。

 

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パウルクレー、大苗サイズになって、さらにとっても頼もしくなったばらちゃんです🌹

 

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デスデモーナは毎日新しい花が咲く。少しずつカットしてリビングに置いている。今はパウルクレーもキルケも咲いているので一緒に活けられて良い。去年のこの頃はデスデモーナしか咲いていなかったから。

 

 

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愛すべきこのニューウェーブは、天津乙女、マダムヴィオレや茶々をはじめ、いくつもの銘花を作出された寺西菊雄さんのバラ。

一度病気で手放したものを買い直した。またうちで咲いてくれるのが本当に嬉しい。本当に!

 

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少しベージュやグレーがかる、うすむらさきの花。

ブルー香だというその香りが大好き。最初に澄んだ花の香り、だんだん甘く、最後はコショウみたいなスパイシーさが残る。ブルー香の代表種にも例えられるブルーパフュームも所持しているが、ブルーパフュームは私にはダマスクに感じるから奥が深い。

 

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房でたくさん咲いてくれる。1番の蕾は摘蕾したから大丈夫かなあ…夏場の開ききった姿も可愛いのだけど、初年度だし今年は咲かせないようにしよう。

 

 

そして、実は今日ソニアリキエルオデュッセイアを水切れさせてしまったのでした。

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ただでさえ花弁のやわらかいソニア、ふにゃふにゃになっちゃってほんとに申し訳なかった。2時間ほどでお辞儀したつぼみも元に戻ったけど、1週間くらいして落葉するかもしれない。

ソニアとオデュッセイアと、ジュビリーセレブレーションとジュードジオブスキュアは水切れしやすい。気をつけないとな🥲🥲

 

 

今のところベランダでは、パウルクレー、デスデモーナ、ニューウェーブソニアリキエルオデュッセイア、キルケ、コンフィチュールが開花してくれている。

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シャリファアスマがもうすぐかな?

手前のデスデモーナをカットしている間中いい匂いが漂っていて、「お隣のお洗濯物かな?」と思ったのだけど、こんな蕾のシャリファが香るのだった。

 

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去年は正直、パウダーみたいな石鹸みたいな、嫌味な感じはしないけど…という香りが少しあるだけだったので、評判通りの強い(レベル5!)のフルーツ香を感じることができて幸せです☺️

 

明日からも、思う存分バラを楽しみながらがんばりましょう🌹💕

 

芒種前

駅の待合室で、瞬きの合間に消えてしまう蜘蛛の糸を見た。晴れて光る細い輝きが角度によって曖昧になるのも、雨の日の中空に浮かぶ雫の群れるのも、どちらも好きな光景だ。

23℃/14℃の晴れの日。

 

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デスデモーナは今年も素晴らしい風景を作ってくれそう。

オデュッセイアと一緒に咲くのが好きすぎるのだけど、今年はちょっとデスデモーナのつぼみが少ないようで、オデュッセイアが間に合うか心配です。

 

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去年はかなり下の方の枝を残したのかもしれない。今年は全体的に高いな……。

 

 

去年の写真↓

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これを見ると、去年のオデュッセイアの樹高の低さに驚きますね。今はもうオベリスクの頂点も見えない……3年目だから樹勢が強くなってきてくれたのかも、と思うと嬉しい。

長めに残したデスデモーナの枝と交差しているところもあるから、上手く開花時期が合うといいな。ぶつぶつ。

 

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昨日と今日のオデュッセイア。これくらいの咲き加減も凛としてすてきよね。

 

 

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ギヨーのソニアリキエルがもうすぐ咲きそう!

アーチもどきにして高さを出したら、当たり前だけど上の方ばかりに蕾がついている。

 

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ソニアの房咲きが大好物な私は「絶対に俯いて雨の降るように咲いてくれよ」と毎日念じています。

 

 

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昨日開花してくれたのは、初のローズドゥメルスリーさんのバラ、コンフィチュール。

これくらい開いてきてくれたのをそそっとカットして、側蕾の開花と、ベーサルシュートのために備えた。ベーサルちゃん、もう2本も出てきてくれて、今日2本目のソフトピンチをする予定🤞🤞

 

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濡れるようなピンク色の花は、つんと一瞬ダマスクが香って、あとは飴玉みたいな甘いフルーツ香になります(*´艸`)いい匂い!!

 

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春に咲かせるのは初めて、なパウルクレーも昨日開花。

花径はパウルクレーのほうが大きいけれど、これくらいの咲き加減の時はコンフィチュールとよく似ています。姉妹みたいだね。

 

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パウルクレー、今年はベランダがうどん粉で結構やばいのに、全然びくともしなくてすごい(あ、ヴィウーローズとクロードモネも平気)。

柑橘の良い香りのバラ(*´◡`*)

 

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我が家のお姫さま・シャリファアスマがもうすぐ咲きそうな5月後半の今日のベランダ。

 

週末は雨ではなさそうでとてもとても嬉しい😊

一日中バラを見てやるぞ!!!

 

 

 

 

 

2021開花始まりました デスデモーナとキルケ✨

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5/25、晴れ一時雨の予報、25℃/14℃。我が家でもバラの開花が始まりました。

トップバッターは去年も5/25に開花してくれた、早咲きERのデスデモーナ。

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会いたかったー!!!

ERらしい、透ける花弁をもつデスデモーナは、朝日の本当に似合うバラです。

 

 

一昨日の様子。

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この時点で、周りに漂うくらいの香りがあった。去年より香りの拡散力が強い気がする。爽やかなトップと、甘い花の香り。

開くまではベビーピンクで、開くとアイボリー、開き切ると白くなる、変化の楽しいバラ。

 

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同じく今日開花したキルケ!

去年の開花は6/5…ということは、2週間弱早まったんだね。3月後半あったかかったからネ(デスデモーナは変わらない)!

 

ちなみに昨年の春のキルケ↓

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ピンク〜紫色をした花のはずだが、こんな感じに白っぽく咲いていた。気温が高く日照が少ない条件で白くなるよう。

今年は4月はすごく肌寒かったし、5月もそんな暑いわけでもないから、開ききって本来の色になるかしら…とわくわくしている。どんな花色でも綺麗だけどね(*´꒳`*)

 

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レモンの香りがします🍋✨

 

 

他のバラも着々と蕾がほぐれてきている。

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1番に咲くかな?と思っていた、今年春の大苗ローズドゥメルスリーのコンフィチュールは、花弁数のとても多い花だからか、ゆっくりめのスタート🌹

 

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オデュッセイア。房咲きが多そう!デスデモーナとのコラボを今年も期待している。

 

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パウルクレー。去年はまだ新苗だったのに、元気いっぱい。

 

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買い直したニューウェーブはソフトピンチしたところからつぼみが伸びてきてくれて、本当に嬉しい。細い枝にも関わらず、たくさん房咲きしてくれるバラだったよね。覚えてるよ。

 

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ソニアリキエルは見上げる位置にも結構つぼみがある。俯くかな…憧れのバラがふりそそぐアーチのようになってくれ…!!

 

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地植え組のフリュイはそこそこの房咲きをしてくれそうで、

 

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同じく地植え組のダフネは、鉢植えの時の方がつぼみの数が多かった。慣れるまでは仕方がないよね!

 

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イタリアのバラ、香りが1番好きなアカデミアはもう樹高が130cmくらいある。去年、最終的には190cmを越したので、今年は深めに花後剪定したい…(でも花が早く見たい!!)。

 

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遅咲きと言われるレディエマハミルトンはこんな感じ。うちで1番の古株さん(3年目だけど…)だから、つぼみは結構多い、と思う。

 

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シャトードゥシュベルニー。つぼみがたくさん!

全体的に遅咲きと言われるデルバールのバラは、このシャトードゥシュベルニーと、クロードモネ、ラパリジェンヌ、ヴィウーローズは同じ時期に咲きそう。フラゴナールはその1週間後くらいかな……。

 

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オベリスクのジュードジオブスキュア。同じくオベリスクに巻いて、隣にずっといたエヴリンがいなくて寂しそう(限界幻覚)。

 

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ジュビリーセレブレーション。こちらもオベリスクに巻いている。

迎えてから2年半、今年の春はびっくりするぐらい成長してくれて、通路の危機になっている。花後剪定をちゃんとしないとベランダが侵食されそう。ジュビリー、コンパクトなイメージがあったんだけど、嬉しい悲鳴だ。

 

 

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あとは、クレマチス・水面の妖精も今から咲くところ。開花時期がぴったりで本当に嬉しい。

ソニアの株元にあるから、下から撮ればコラボが見られるかなあ(*´-`)

 

 

南の開花からおよそ1ヶ月遅れて、春(初夏)の絢爛の始まりだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

雨の週末、バラを諦めたこと

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20℃/13℃の肌寒い雨の週末。

家人や家人の妹さんは「暑い」と言っていて、真夏には体感40℃くらいになる名古屋育ちの私にはたぶん一生理解できない感覚だなと思った。幼い頃から身体がそういう気候で生きていくよう順応してきたのを、今更メンテし直せるとも思えない。これからずっと5月下旬になってもバラが咲かず、肌寒いこの地で生きるだろうけれど、故郷で育てた肌感覚は死ぬまで大事にしたいと思っている。強く。

 

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エヴリン。

癌種を見つけたので廃棄の準備をしている。挿し穂を一応取り(私は挿し木に成功したことがないので本当に悪あがき)、鋏を消毒した。

でも、エヴリンは冬の植え替えの時にカルスだと信じたかったコブがあったから、たぶん、それがもう『そう』だったんだと思う。だとしたら消毒もやる意味があまりない。というか本当にカルスなのかもしれないが、急にあんなに弱った理由を『それ』の他に思いつかない。

隔離するスペースもなく、うつる可能性を考えれば廃棄しかない。それがすごく悲しい。

 

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が、ベランダでつぼみを待機させている、私のバラは他にもあるのだ。悲しみから春の絢爛を逃したくない。

そしてなにより私はエヴリンを絶対に諦めない。この株は諦めたとしても、生殖でなくクローンで存在し続ける(それには途方もない努力がいる、生み出され愛され残され続けることの途方のなさ)この種のこれからを、絶対に自分で見届けたい。

 

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去年の春に見せてくれた、夢のように心が躍る風景。エヴリンは絶対写真より実際に見るほうがいい。そして、今は写真や思い出にすがるより、手を尽くしてまた会いたいと思っている。

 

我がことながら執念に怖くなりますが、もちろん人生に狂えるものがあるひとは僥倖なのです。

待っていてね、エヴリン。

ランボーが謳ったバラ色?

 数時間ごとに天気の変わる、目まぐるしい連休です。5月、私がバラを育て始めて、2回目に迎える春です。強風と暴雨の合間の太陽に心が浮き立ちます。きらきら、ふるふる、まわりに。

 

今年は5連休ということで、初日に掃除をして、衣更もしたいな…と思いつつ体調不良のため布団の中で猫と一緒に風の音を聞いていたりする。低気圧もろもろの影響ですね。

 

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写真のバラは、去年の春に大苗で迎えたデルバールの2019年発表品種・ヴィウーローズの去年の姿。

ヴィウーローズとは、古い薔薇色のフランス語。

 

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ニュアンスのある赤紫色がシックな高芯咲き~ロゼット咲きの大輪花。強香花。中型の木立性でまとまりの良い樹形。新葉は艶のある濃い銅葉で、春の芽吹きの時期や秋の開花時期は枝葉だけでも強い存在感がある。耐病性が強く棘も少な目なので初心者でも育てやすい。鉢植えにもぴったり。

(-デルバールJAPON公式より)

 

「深みのある赤で、大輪半剣弁カップ咲き。照り葉で花とのバランスがよい。

香り:ティー/クローブ様のスパイシー感と新鮮なフルーティーな香りが特徴のティーの香り」

(-第14回国際香りのばら 新品種コンクールHT部門金賞の説明より)

 

デルバールのバラは、フランスのプロの調香師による香りのピラミッドが作られていて、香りのノートがわかるものが多い。が、ヴィウーローズは強香種のわりにそのピラミッドが作成されていないようだ。ずっとこれはどういう香りなんだろうとふしぎに思っていたので、国際香りのばらコンクールの説明はありがたかった。ただ、まあ、全然わからないな。クローブ、今度料理に使ってみよう(私はりんごの皮の匂いだと思っている。甘さのあまりない、ちょっとツンとするやつ)。

 

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 色を忠実に写真におさめるのが難しいバラです。赤バラより難しい。すぐ蛍光ピンクになってしまうけれども、実際はすごくアンティークな色味で……茶、とか、灰、とかが混じっている感じ。私はそこに一目惚れをした。なんとなく昔のブリジット・フォンダが着ていたスリップドレスを思い出す。

 

 

そしてヴィウーローズは花だけでなく、枝葉がものすごくかっこいいのだ。

 

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見て!この黒く赤く輝く新芽!

この黒はじきに深い緑に変わって、アンティークな花の赤にシックな重厚感を与える。照り葉と花のバランスが良い、その通りのバラだと思う。

 

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冬剪定の写真を見ると、そこまで伸びない、コンパクトなバラなのがわかりやすい。これを……


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これぐらい切った。HTなのであんまり細い枝は残さなくて良かったな。

 

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咲き始めの紛れもない赤から、滲むモーヴへと移り変わる。外側の花弁と内側のそれが違う彩度をしている。開ききっても蕊は見せない誇り高さと、半剣弁からロゼットへと変わっても完成度の高い花形。ヴィウーローズはオールドとモダンの合間にある気がする。

 

 

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ジュビリーセレブレーションやフラゴナール、レディエマ。

まだまだ蕾が出始めたくらいだけど、今年はだいぶ早い開花になりそうです。今日までは荒天で気温が13度くらいまで下がったけど、明日からは20度を超えそう。去年は5/25が最速だったけど、暖かい(はずの)今年はどうでしょうか?楽しみです(*´꒳`*)💕